松崎産婦人科クリニック

〒563-0055
大阪府池田市菅原町3-1
ステーションN2階 202-2

           

電話:072-750-2025
※ご来院前にお電話でお問い合わせ下さい

婦人科

月経困難症と子宮内膜症

(1)月経困難症
月経時の下腹部痛や腰痛などの骨盤の痛みを中心として、悪心、嘔吐、下痢、頭痛などの随伴症状のため社会生活に支障を来たし医学的治療を必要とするものと定義されています。痛みの原因はプロスタグランジン(PG)の作用によるものです。
月経困難症は機能性月経困難症と器質性月経困難症に分類されます。前者は子宮頚管が狭小であったりPGの過剰産生などがあり、後者は子宮内膜症や子宮腺筋症によるものが大半です。
治療法は機能性月経困難であれば、初期は非ステロイド性抗炎症薬であるロキソニンやボルタレンが使われています。これが効かなくなれば器質性月経困難と同じ内容となりますので、子宮内膜症の部分を参照にしてください。

(2)子宮内膜症
子宮内膜症とは子宮の内側にある子宮内膜組織が何らかの原因で本来あるべき所以外の場所で発育・増殖する病気です。子宮内膜は卵巣からのホルモンに反応して増殖し、月経の時には子宮内膜がはがれて出血が起こります。同時に子宮の内側以外に散らばった子宮内膜も増殖し、月経になると出血を起こし、周囲の組織と反応して痛みの原因となります。このような変化が月経のたびに繰り返されるため、子宮内膜細胞が卵巣の中で増殖するとチョコレート状の嚢腫ができ、子宮筋層の内で起きると子宮筋の肥厚が起きて子宮腺筋症となります。子宮の後面などにこの病変があれば、直腸などと癒着することになり、ダグラス窩が閉鎖致します。

子宮内膜症の症状
子宮内膜症の症状は、主たる病変部がどこにあるかによって多彩な変化を示します。一般的には月経毎にひどくなっていく月経痛があり、腰痛、下腹部痛、性交痛、排便痛、肛門痛などもあります。又月経量が多くなる月経異常(過多月経)を示す場合があり、不妊症にもなりやすい特徴があります。

子宮内膜症の診断
子宮内膜症の厳密な診断は、腹腔鏡によって病変の拡がりとその広さを確定し、病状の重症度を決定しています(子宮内膜症の臨床的診断といいます)。手術によらずに子宮内膜症を診断する方法として以下の3つの方法があります。

  • 内診法(直腸診)
    子宮後方のダグラス窩の硬結の有無の程度をみます。子宮の可動性の制限や卵巣子宮内膜症性嚢胞の有無をチェックして、Beechamの分類に従って4つのグループに分けます。このようにして診断されるのを臨床的子宮内膜症といいます。
  • 腫瘍マーカーの測定
    CAI25を用いますが、陽性率は96.4%です。
  • 画像診断法
    臨床的診断をサポートする補助診断法としてこれらとは別に超音波検査とMRI、CTがあります。これらにより癒着の有無、程度、卵巣子宮内膜症性嚢胞の有無と大きさ、子宮腺筋症や子宮筋腫の有無などを調べます。

当クリニックではこれらを総合的に活用して診断を行っています。

子宮内膜症の治療
内膜症の治療には患者さんの年令や症状に応じた柔軟な治療法が行われています。

A:薬物療法

内膜症が初期であれば鎮痛剤の服用で治療を行っていきます。 その次の代表的な治療方法として(1)経口避妊薬(いわゆる低用量配合薬(LEP))、(2)黄体ホルモン療法、(3)レボノルデストレル徐放型子宮内避妊システム、(4)GnRH誘導体の服用、(5)ダナゾール療法の5種類があります。

(1)にはルナベルやフリウェルなどがあり、排卵を抑制することにより内膜症組織の増殖などを抑えて内膜症による症状を改善します。長期投与可能ですが、血栓塞栓症に注意が必要です。
(2)の黄体ホルモン療法は内膜症様組織の脱落膜化と萎縮を起こして、効果はGnRHアゴニストと同等で、長期投与が可能です。
(3)のレボノルゲストレル徐放型子宮内避妊システム(ミレーナ)は子宮内膜に直接働き、子宮周囲に限定して作用し長期装用(5年間)が可能です。
(4)にはスプレキュア、ナサニール、ブセレキュアなどがあり、ゴナドトロピン受容体の脱感作を起こし、人工的に月経を止めた状態をつくり、子宮外に散らばった内膜組織の増殖や出血を止めて病巣部を萎縮させ、次第に痛みなどの症状を軽快させます。低エストロゲン症状(のぼせなど)や骨密度の低下に注意して、6か月以内の使用限定があります。

B:手術療法

腹腔鏡を用いて子宮内膜症病巣部を除去する方法です。これには保存手術として子宮内膜症病巣切除術、癒着剥離術と卵巣嚢腫摘出術があります。子宮内膜症による疼痛を軽減される点と妊娠能力を高めることを目標とした点が注目されています。一方根治手術として子宮全摘出術+両側付属器摘出術+子宮内膜症病巣切除術があります。当クリニックは病診連携となっている病院を紹介して子宮内膜症の手術療法を行ってもらっています。

更年期障害

更年期障害とは閉経の5年前後くらいの時期にホルモン分泌の機能低下により月経異常が出現し、顔がほてる、急に汗がふきでる、手足がひえるなどの自律神経失調症状がでたり、気分が落ち込む、眠りにくいなどの精神神経症状が出たり、体に様々な変調をきたす症状の総称のことを指します。(体の変調には個人差があります。)一方老年期障害としては性器や泌尿器が萎縮により萎縮性膣炎や尿失禁が起きやすくなり、腰痛、骨折などの骨粗鬆症があり、コレステロール上昇、動脈硬化などの血中脂質異常があります。

治療方法

  • ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)
    のぼせ、発汗などの血管神経症状に特に有効で、エストロゲン剤のプレマリンとプロゲストーゲン剤のプロベラを投与します。子宮が無い場合にはエストロゲン剤単独で治療します。更年期障害のみならず、閉経前に両側卵巣摘出を行った場合、早発閉経や骨粗鬆症の治療にも応用できます。最近は経皮的E2貼付剤も使用されています。これらの薬剤による副作用(乳がんの発症、血栓症の増加など)が注目されていますので、HRTの禁忌症状や慎重投与の症例などに注意が必要で、5年以上の長期服用は勧められません。
  • 精神神経症状に対する薬物療法
    不安症状が強かったり、抑うつ症状が強い方に使用しています。うつ病は精神疾患ですので対象外です。治療剤としてはドグマチールやレキサプロを使用しています。
  • 漢方療法
    更年期障害の症状に合わせていろいろな漢方薬の処方も行っています。例えば症状に応じて当帰芍薬散、加味逍遥散や桂枝茯苓丸などを使用しています。
  • 骨粗鬆症
    閉経後の骨粗鬆症の診断には踵骨の超音波診断が容易ですが、精度に欠けるためDXA(二重エネルギーX線吸収測定法)が良いと言われています。脆弱性骨折の有無とYAM(若年成人平均値)を用いて薬物治療を開始します。カルシウム製剤、エストロゲン製剤、活性型ビタミンD、ビタミンK、ビスフォスフォネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を投与しています。当クリニックは日本骨粗鬆症学会認定医である整形外科医の池田市の辻野宏明先生と診診連携をしてます。
  • 高脂血症
    厳密に高脂血症の診断基準に従って、(1)食事療法 (2)運動療法 (3)薬物療法(HMG-CoA還元阻害薬かフィブラート系薬剤)を行っています。

月経異常

月経が初めから全く来ないとか、月経の周期が一定しない人や初めは正常だったが次第に月経が来なくなってしまった人の対処法です。

診療の流れ

  • 月経の周期の異常のある方には女性ホルモンの測定のための採血をして、基礎体温(BBT)を測定してもらいます。異常の原因を把えた後に各種ホルモン剤の投与か低容量ピルの服用をお勧めします。前者にはHolmstrom療法とKaufmann療法があります。
  • 低容量ピルについて
    (1)低容量ピルとは低容量経口避妊薬のことで、避妊作用があるのみではなく、月経痛が軽くなり、月経周期が規則化する副効用がありますので月経異常にも使用できます。
    (2)21錠タイプと28錠タイプの2種類があり、飲み初めに吐き気や頭痛などの副作用がありますが次第に消えていきます。
    (3)飲み忘れに気をつけることが作用発現に大切であります。
    (4)血栓症にかかった既往のある人やヘビースモーカーなどピルが禁忌の方もいますので、必ず当クリニックの医師に相談して服用しましょう。

避妊法

将来子供を作るかもしれませんが、今すぐ妊娠するのを避けたい方のために避妊法を説明します。

1. コンドーム法など

性交渉の時に男性につけてもらうものですが、女性が主体的に選べないことと失敗率が高い(パール指数が12~15点)のであまりお勧めできません。骨盤内炎症性疾患や性感染症の予防にはなります。荻野式避妊法や性交中絶法や殺精子剤を用いた避妊法も避妊効率が低く、お勧めできません。

*パール指数とは、100人の女性が1年間に妊娠する数で、避妊しない場合のパール指数は80~200です。

2. 低容量経口避妊薬

錠剤の中に含まれているホルモンの量が少ないのでこの名前があり、一相性と三相性の2タイプがあります。服用する時に禁忌の疾患や慎重投与疾患の有無チェックが必要です。また服用中にも中止すべき症状(胸痛や頭痛など)があれば、服用をやめて医師との相談が必要です。血栓塞栓症は致命的になることがあるので注意が必要です。パール指数は0~0.5です。

3. 子宮内避妊用具など

子宮内に持続的にある器具を入れることにより避妊を図るものです。最近の避妊用具は性能が良くなっていますので、失敗率はかなり低下(パール指数は0.5~2)しています。ただし出産経験がある人に限られます。若年者や未婚女性には不適当です。骨盤内炎症状疾患や月経異常になることがあります。銅付加工IUD(マルチロード)は3~5年ごとに交換が必要です。レボソルゲストレル放出子宮内避妊システム(ミレーナ)は子宮内膜症や過多月経に効果がありますが、避妊作用も高く、5年ごとに交換が必要です。出産後すぐに行う卵管結紮による避妊作用はパール指数が0~0.04と効率が良いのですが、保険が効かずに高価であるのが難点であります。永久避妊法と言われますが、再度の妊娠希望が出来ないことを納得して行う方法です。

緊急避妊ピルについて

緊急避妊ピルとは

通常の低用量ピルは、月経が始まった日より連日服用すれば避妊作用が高いのです。このピルとは違って「緊急避妊ピル」というのがあります。それは避妊失敗した時や性交渉をもった後に、実は妊娠する危険性の高い日であることがわかった時に対処する方法です。 あくまでも緊急的な方法であります。

ピルの飲み方と特徴

  • 性交渉があってから 72 時間以内に中用量ピル(ドルトンなど)を2錠飲みます。 その12時間後にさらに2錠服用します。これが従来からのYuzpe法です。2011年からレボノルゲストレル(ノルレボ)を1.5mg1錠1回服用する方法が導入され、当院ではこちらを採用しています。
  • 前者は短期間にかなり多量のホルモン剤を服用しますので、「吐き気」、「頭痛」や「乳房痛」を訴える人もいますが、後者のノルレボは1週目に大きな、2週目に小さな山の出血がみられます。
  • 飲んでから2週間以内に月経がくるはずですが、20日たっても月経がこなかったら妊娠の可能性がありますので、当クリニックに相談してください。

性感染症(STD)

性感染症(STD)はその種類によっては「おりもの」に変化がみられ、外陰部に痛みやかゆみが出ることが多いですが、自覚症状の乏しい方もいらっしゃいます。
「恥ずかしいから・・・」とそのまま放置すると、知らずのうちに進行してしまいます。
パートナーとの話し合いが大切で、二人で一緒に根気よく治療を続けることが大事です。

※感染症予防について当クリニックでは、診療を受けられた方に性感染症の予防方法を指導しています。

主な性感染症の種類と特徴

(1)クラミジア

クラミジア・トラコマティスという微生物で起こる感染症で、自覚症状は特になく、おりものが多くなる程度です。感染に気づく人が少なく、10代~20代の女性に増加しており、パートナーに移り易いと言われています。卵管性不妊や経産道感染の原因として重要で、子宮頸管炎、卵管炎、骨盤内感染症、肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)へと進展します。クラミジアの検出には遺伝子検出法のPCR法やTMA法が感度と特異性に優れているとされています。

・治療方法
特殊な抗菌剤を使用して治療します。妊婦の治療も考えて、マクロライト系薬剤のジスロマック4錠を1回の服用で治ります。放っておくと不妊症や子宮外妊娠を引き起こす場合がある為、疑いのある方は受診される事をお勧めします。

(2)淋菌感染症

淋菌という細菌によって起こる性感染症で、感染後2 ~ 9日して排尿時にかゆみ、痛み、熱感が出ます。 最近オーラルセックスで淋菌による咽頭炎もよくみられます。核酸増幅検査法(PCR又はTMA法)で主に検出しています。

・治療方法
症状が軽い時はジスロマックというマクロライド系の抗菌剤内服で、重症の場合にはロセフィン(CTRX)などの抗生物質の静脈注射で治療します。

(3)ヘルペス

感染性外陰部潰瘍で単純ヘルペスウイルス(HSV)によって起こる感染症で、性的接触後3~10日で外陰部や膣に小さな赤い水泡や潰瘍が対称性にでき(kissing ulcer)、非感染性外陰部潰瘍のベーチェット病や腫瘍性外陰部潰瘍のボーエン病、外陰がんなどとの識別が重要です。2~3週間はかゆみや激しい痛みをともなうのが特徴です。体の抵抗力が落ちると再発しやすいです。

・治療方法
抗ヘルペスウイルス薬の軟膏を局所に塗ったり、経口剤を投与します。重症例は点滴が必要で、頻回に再発する人には抗ヘルペスウイルス剤を長期間毎日投与します。

(4)尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによって起こる性感染症で、感染後3週間~3カ月して、外陰部、膣、子宮膣部、肛門の周囲などに白色や灰色の米粒大~小豆大の腫瘍が多発します。腫瘍の尖端はとがっており、鶏のとさかや花キャベツのようにも見える独特の形をしています。 再発しやすいのでしっかりと治すことが大切です。軽いかゆみや灼熱感があり、放っておくとどんどん大きくなり、性交時などに出血し痛むこともあります。

・治療方法
ベゼルナクリームを用いた薬物療法とレーザー切除や電気焼灼法などの外科的療法があります。

(5)HIV

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって起こる性感染症で、感染後すぐに発症するわけではなく、平均8~10数年の潜伏期間があります。免疫細胞に感染し破壊されるとAIDS(Acquired Immunodeficiency Syndrome)となります。この間を一般にキャリア(保有者)といいますが、性交渉や血液を媒介として感染させる能力を有します。 疑いのある方は産婦人科などの診療所や保健所(無料)でHIV検査を受ける事をお勧めします。

(6)梅毒

梅毒トリポネーマの感染によって起こる性病で、初期硬結、リンパ節炎、バラ疹などの症状が出ます。検査法としては(1)カルジオリピン・レシチンを抗原とするSTS法と(2)トリポネーマ・パリーダを抗原とするTPHA法が主流です。治療は合成ペニシリン(サワシリンなど)を用いるのが第1選択です。判定にはSTS定量とTPHA定量で行っています。

不妊症

不妊症の原因はいろいろあるためその原因をしっかりと把握することが大事です。そのため月経周期に応じたいろいろな検査を受けていただくことになります。また不妊症の原因に男性側因子も無視できないので、夫婦の検査への協力が必要となってきます。不妊症の検査には以下のようなものがあります。

  • 検査前の問診事項
    女性側には月経歴、妊娠分娩歴、不妊期間、避妊の有無とその期間、既往歴(特に腹腔内や生殖器の感染症、子宮内膜症)、手術歴、過去の不妊検査とその成果、男性側には既往歴(特に耳下腺炎)、射精障害の有無、職業などを聞きます。
  • 基礎体温の測定
    女性ホルモンが正常に働いているかどうか排卵が正常かどうかを確認する簡単な方法として、基礎体温の測定があります。低温相と高温相に別れて、低温相の最終日より排卵日の推定ができます。
  • 女性ホルモン検査
    女性卵巣刺激ホルモンには卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の2種類があり、卵巣ホルモンとしてエストロゲン(E2)とプロゲステロンがあります。これらを月経期・排卵期・着床期に別けて測定します。
    また、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン;PRL)や男性ホルモンの一つであるテストステロンも同時に測定することがあります。
  • 尿検査
    排卵日を判定する検査として尿中の黄体化ホルモン(LH)の測定をします。
    当クリニックでは、クリアプランを用いています。
  • 超音波検査
    超音波を発信するプローブという器具を膣内に入れて、子宮内膜の厚さと両側の卵巣内の卵胞を観察します。卵胞の大きさの程度からその成熟状態や排卵の有無やその時期の予測が可能です。
  • 頸管粘液検査
    子宮頸管入口部にある粘液を細い注射器で一部を吸い取って、乾燥させた後に顕微鏡で観察する検査です。排卵期になると粘液は透明になり、粘調性が増え顕微鏡でみるとシダ状結晶がみられます。
  • 性交後試験(フーナー検査)
    性交して16時間以内にクリニックに来ていただき、膣と子宮頸管内にある粘液をとって動いている精子を観察します。精子が受精できる場所(卵管の末端の采部)まで上昇できているかどうかを判定する検査法です。1回のみの結果に頼らず通常2~3回は行います。
  • 卵管疎通性検査
    この検査に専用のチューブがあり、子宮内へ先端を留置して膨らませ注射器で水または造影剤を注入して卵管がつまっているかどうかをみる検査です。軽度の卵管の狭窄又は閉鎖であれば、この検査の後に開通して妊娠したという例も多数報告されています。
  • 精液検査(男性側の検査)
    3~4日禁欲した後にマスターベーションによって専用の容器に精液をとって持って来てもらいます。顕微鏡で精子の数や運動率、奇形率を調べる検査です。当クリニックではイスラエル製のsperm quality analyzer(SQA)を用いて、精子機能を多項目にわたって調べられる検査機器を用いています。
  • その他の不妊症ルーチン検査
    卵巣の予備能の指標となるAMH(抗ミュラー管ホルモン)、甲状腺機能検査(freeT3,freeT4,TSH)、空腹時血糖、抗精子抗体、クラミジア検査(抗原と抗体)、梅毒検査、風疹抗体価などが一般的です。

当クリニックでは以下の治療法を施行しています。

これらについて以下に簡単にご説明します。

排卵誘発法

無月経や月経不順、黄体機能不全など、卵胞発育・排卵に問題がある方に排卵誘発法を用いた治療をいたします。

A:クロミフェン療法

無排卵症のうち第1度無月経、希発月経、無排卵周期症、黄体機能不全のようにある程度内因性エストロゲンが保たれている患者や、多嚢胞性卵巣症候群の患者を含む血中プロラクチンがある程度保たれている患者にもクロミフェンは月経周期の5日目より5日間服用し、脳からのFSHとLHの分泌を促します。月経周期10日目位の排卵期近くに来院してもらい卵胞の発育状態を観察し、卵胞の大きさによって排卵日を予測して、クリアプランを用いた排卵測定キットを用いて性交のタイミング指導をしています。また成熟卵胞がある場合にはLH作用のあるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG) を注射して、排卵を促すこともあります。排卵誘発は70~80%で成功しますが、妊娠率は28%~30%、多胎妊娠が4~5%に発生するので発育卵胞の個数に注意が必要です。
「男女産み分け法」も行っていますのでご相談ください。

B:ドーパミン作働薬療法

高プロラクチン血症が原因で排卵障害を起こしている患者では、血液中のプロラクチン 濃度を下げて正常値内に戻すと排卵が復活します。高プロラクチン血症は原因により 治療法が異なり、ある種の薬剤を服用しているための副作用によるものであれば、その薬を中止したり、変更します。高プロラクチン血症で下垂体腫瘍が原因で手術が適応できない方や原因が不明 の方にはドーパミン作働薬(パーロデル、テルロンやカバサール)という薬を使います。これらの薬は脳の下垂体に直接にはたらき、プロラクチン分泌を低下させ、排卵を改善させます。副作用の主なものは、吐き気や便秘があります。ドーパミン作働薬は妊娠中は有益性投与ですが、原則として妊娠が成立したら中止します。

C:ゴナドトロピン療法

クロミフェン療法や高プロラクチン血症作動薬療法か第2度無月経で妊娠しない方に行う治療法です。
卵胞発育作用の強いヒト閉経後婦人尿由来ゴナドトロピン(HMG/FSH製剤)を注射して卵胞の発育を促し、卵胞が一定の大きさに発育したら、排卵作用のあるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG) を注射して排卵を誘発する方法です。尿由来HMG製剤にはHMGテイゾーがあり、精製FSH製剤にはゴナピュールがあります。ある時期より連日または隔日に注射し、頻回の超音波や血液検査を行う必要があるため、頻回の通院とコストアップが求められます。作用が強い反面、多胎妊娠や卵巣過剰激症候群(OHSS)などが発生するため、個々人の状態に応じた投与量と投与方法を施行します。

通水療法

子宮卵管造影法で卵管采癒着は認めますが卵管に通過性がありかつ延長像のない症例が卵管周囲癒着(PTA)です。これがある方はこの治療法の適応となっています。(卵管不妊の治療方針)
月経終了日から排卵推定日の前日迄の間に抗生物質やステロイドを混入させた薬液を用意し、通水圧を200~300mmHg以内でゆっくり子宮内から卵管に投与します。
通常6周期行って子宮卵管造影で再度判定し、不変または増悪すれば腹腔鏡検査を行います。両側卵管閉塞やPTAの厳しい症例では体外授精、胚移植が望ましいです。

人工授精(AIH)

精子の数が少ない(2,000万個/ml未満)場合や精子の運動率が悪い場合、頚管粘液の分泌が不良だったりフーナーテストが不良などの頸管因子がある場合、男性の尿道下裂などの性交障害がある場合や原因不明不妊などの症例がこの適応になります。
人工授精のタイミングは卵胞が一定の大きさまで発育した時点で精液を調整し、子宮腔内に濃縮した精子を注入し、骨盤高位に休んでもらいます(15分間)。抗生物質を終了後に服用してもらいます。
AIHによる妊娠率は1回当たり6%前後です。6回施行しても妊娠しない場合には、生殖補助医療(ART)または腹腔鏡内手術を施行するのが望ましいとされています。

女性の排尿障害

女性の排尿障害には(1)尿失禁、(2)過活動膀胱(OAB)、(3)神経因性膀胱、(4)間質性膀胱炎があります。(1),(2)は産婦人科で治療可能ですが、(3)と(4)は泌尿器科での治療が望ましいです。
尿失禁とは本人の意思とは無関係に尿を漏らしてしまうことです。加齢、出産などによる骨盤底筋力の衰え、脳血管障害などによる排尿調節機能の低下などが原因です。40歳以上の女性の41.4%にみられ、その大半は50~70%は咳や労作だけで尿が出てしまう腹圧性尿失禁であり、15~30%が切迫性尿失禁(尿意はあるが、トイレに着くまで漏出を抑制できない)があります。他に特殊な尿失禁のタイプとして機能性尿失禁(運動障害のためトイレまで間に合わず出てしまう)、溢流性尿失禁(出にくいのにもれる)と反射性尿失禁(尿意がなく突然もれる)があります。又それらの混合性尿失禁が30%に認められています。尿失禁のタイプによって処方される薬剤が異なってきます。症状に応じた薬物療法を当クリニックでは行っています。難治性の場合には、外科的治療が必要の場合があり、専門医を紹介しています。
過活動膀胱(Overactive Bladder / OAB)は尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常頻尿、夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うことが多いです。薬物療法には抗コリン剤のトビエースやβ3アドレナリン受容体作動薬のベタニスを用いることが多いです。

がん検診について

がん検診は「子宮ガン検診」と「乳がん検診」があります。
おりもの、不正出血などの婦人科系の臓器の異常があったり、しこりなど乳房の異常が少しでも気になった症状がある方は受診される事をお勧めします。 いずれのがん検診も原則として症状がなければ自費診療ですが、公費負担を受けることができ、一部のみの自己負担ですみます(初診料は不要です)。
池田市在住の20歳以上の方は「子宮がん検診」を2年に1回、同じく30歳以上の方は乳腺エコーによる検診、40歳以上の方はマンモグラフィーを2年に1回受けることができます。当クリニックでは子宮がん検診を池田市の検診として行っています。
それに対し上記のような病的な症状があれば保険診療となります。

(1)子宮がん検診

子宮がんには入口部に発する子宮頸がんと体部に発生する子宮体がんがあります。最近では生活が欧米化風になってきていて、高脂肪高カロリーの食事を摂取したり、肥満体質の人が増えたりしたために、子宮体がんが増加しているのが特徴です。子宮頸がんと子宮体がんの比率は3:1となっています。
子宮頸がんの発症にはセックスによって感染するパピローマウイルス(HPV)が原因で異形成と癌化に関与していると考えられています。
最近ではセックス開始の低年齢化により子宮がん発症の若年化が進んでいます。
「まだ若いからがんなんか関係ない」とは言っておれない時代なのです。

子宮がんの症状
子宮頸がんと子宮体がんのいずれの初期症状は全く症状のないこともありますが、茶色や褐色のおりものの増加、不正出血や性交時出血(接触出血)などがあります。これらの症状がある方はもちろんのこと、自覚症状がなくても2年に1度は検診を受けることが望ましいと言えます。たとえば自分のお誕生月に検診を受けると決めておかれると忘れなくていいかもしれませんね。

◆検診の方法◆
子宮頸がんの検査は子宮頚部の細胞を擦加して、染色して顕微鏡で観察します。この方法を細胞診といいます。子宮体がんの検査はエンドサイトを用いて採取した子宮内膜細胞診で行います。いずれも正常でない異形細胞(がん細胞や前がん細胞を含む)があるかどうかで、ベセスダ分類に従って臨床診断を行います。(下の表を参考にしましょう)。
異形細胞や癌の存在する組織をとって検査する方法を組織診と言って、コルポスコピー下で生検して異形の程度やがんの浸潤度を評価する方法として重要です。

ベセスダ分類 英語表現 旧日本分類 推測される病理診断 取り扱い
NILM Negative for intraepithelial lesion or malignancy Ⅰ,Ⅱ 異形細胞が認められない 1~2年後に再検
ASC-US Atypical squamous cells of undetermined significance Ⅱ,Ⅲa CIN-1の可能性があるが断定できない 1.HPV test
Ⓐ陰性→1年後に細胞診、HPV
Ⓑ陽性→コルポスコピー下に生検
2.HPV testをしない場合6ヶ月後再検
ASC-H Atypical squamous cells cannot exclude HSIL Ⅲa,Ⅲb CIN-2以上の可能性があるが断定できない コルポスコピー下に生検
LSIL Low grade squamous intraepithelial lesion Ⅲa HPV感染やCIN-1を示唆する コルポスコピー下に生検
HSIL High grade squamous intraepithelial lesion Ⅲa,Ⅲb,Ⅳ CIN-2や3を示唆する コルポスコピー下に生検
場合により円錐切除もある
SCC Squamous cell carcinoma 浸潤扁平上皮癌を示唆する コルポスコピー下に生検
微小浸潤癌の可能性があれば円錐切除をする
AGC Atypical glandular cells 腺の異常を示唆するがAISや腺癌の基準に達しない(腺異形成) コルポスコピー下に生検を行うが、浸潤癌になるまでコルポスコピーで所見がなく、円柱上皮の奥にも病巣がある可能性があるので頚管掻爬を併用する。多数箇所の生検や円錐切除を行うなどの慎重な取り扱いが必要である。
また異形腺細胞が頚管内か内膜由来かはっきりしない時は子宮体癌細胞の混入も考えておく
AIS Adenocarcinoma in situ 上皮内腺癌 を示唆する
Adenocar cinoma Adenocarcinoma 浸潤腺癌を示唆する


婦人科腫瘍の検診について

下腹部の腫瘍のために疼痛、違和感、頻尿、過多月経、腹部膨満などの多彩な症状が出現します。このような症状をお持ちの患者さんは、先ず経腟超音波と経腹超音波で腫瘍がどのようなものかを検討しています。更に精査する目的でコンピューター作動断層撮影(CT)と核磁気共鳴装置(MR)で腫瘍の性格を明らかにします。場合によっては、婦人科腫瘍に特徴的な腫瘍マーカーも測定しています。それらを統合して保存的に経過観察できるか又は手術が必要かを説明いたします。
手術が必要な時は当クリニックと病診連携している病院(大阪大学医学部付属病院や市立池田病院、市立豊中病院など)へご紹介いたします。

(2)乳がん検診

◆検診の方法◆
乳がんは生活の欧米化によって年々増加し、11人に1人の女性が乳がんになると言われています。症状としては”しこり”が多く、乳頭からの分泌物、乳房のくぼみ、引きつれなどが起こることもあります。診断法としては以下の3種類が代表的なものとなっています。

視触診
乳房の形態を見てそのあと手・指で腫瘤が触れるかどうかを検査します。この方法のみでの乳癌の発見率は決して高くないので、この検診単独では不適切です。しかし乳頭分泌や皮膚の陥没、乳頭部などのビランや湿疹、腫瘤の有無は見逃せない大切な所見です。

乳房超音波検査
乳房に超音波装置のプローベを押し当ててがんの影が映るかどうか検査します。
40歳未満の女性の検診に良いといわれています。感度が高く簡便です。しかし腫瘍の石灰化の診断ができないのが難点です。

マンモグラフィー
乳房を特殊な X 線で乳房を撮影します。 40歳台以上の女性の検診はこの方法が推奨されています。2年に1回はマンモグラフィー検査を受けることが奨められています。乳癌そのものの直接所見(腫瘤及び石灰化)と乳癌による二次的間接所見(構築の乱れ)があります。カテゴリー1~5に分類されています。当クリニックではマンモグラフィーの装置はありませんが、乳房超音波検査は受けていただけます。上記の検査で異常を指摘されると、異常部位よりの細胞を吸引してがん細胞があるかどうかを調べます。乳がんの治療は基本的に手術により摘出する方法によります。以前は乳房全摘出手術が一般的でしたが、最近ではほどんどが温存手術(乳房を残す手術)が良い結果を出しています。日頃からの自己検診(breast self examination:BSE)が大切であることは言うまでもないことです。

習慣流産の診断と治療

習慣流産とは連続して3回流産した場合であり、連続して2回流産した場合には反復流産と言います。 原因としては、

  • 胎芽や胎児の偶然的染色体異常
    染色体異常精子や染色体異常卵子によって発生します。流産の50%~60%を占めると言われています。
  • 夫婦間の異常(染色体異常)
    ロバートソン転座などの染色体異常によるもので、遺伝カウンセリングが必要です。
  • 母体側の異常
    母体の異常は流産原因の30%を占めると言われています。子宮の器質的異常(子宮筋腫や子宮奇形)、内分泌学的異常や膠原病、腎疾患、血液凝固異常の場合は各種疾患に対する治療が必要です。

とに別けられます。

当クリニックでは流産の原因として母体側の異常の有無を特定するために、種々のスクリーニング検査を行っています。不育症の専門家である藤田クリニックの藤田富雄Drと tie upして、不育症や習慣流産、反復流産既往のある婦人で血液凝固異常がある方に抗凝固療法(低用量アスピリン療法かヘパリン療法)を現在までに施行して、沢山の患者様方が健康な赤ちゃんを出産しています。興味のある方や習慣流産でお悩みの方は是非一度当クリニックの受診をお勧めいたします。

人工妊娠中絶術

予想外の妊娠成立のため赤ちゃんをあきらめざるを得なくなって、人工妊娠中絶をご希望される方へご説明させて頂きます。

  • 当クリニックでは妊娠12週目未満の手術適応(※1)のある方に限って手術を施行しています。
  • 適応のある方は先ず健康状態のcheckのための問診、心電図と感染症の有無を調べるために採血をいたします。
  • 手術の前日に来院されて、ラミナリアという海草のようなものを子宮口の入口に挿入して開大する処置を行います。母体保護法(第14条)による御本人と相手の男性の両方の署名と捺印を中絶の同意書に記入していただき、同時に中絶の手術同意書も記入して頂きます。
  • 当日は朝から絶食(水分は可)にて来院して、化粧やマニキュアはすぐ落とせるようにして、生理用ショーツと大き目のナプキンを用意しましょう。静脈麻酔にて吸引手術を行います。
  • 術後に処方された子宮収縮剤と抗生物質を服用しながら手術の翌日と術後4日目に来院してもらいます。炎症がなく、異常出血もなく、その他総合的に異常所見がないことを確認して術後検診を終わります。
  • 月経は術後1~1.5ヶ月で再開しますが、月経後の避妊法についても説明させて頂きます。又当クリニックでは緊急避妊法(モーニングアフターピル)も行っています。
  • 稽留流産(子宮内で胎児が死亡して留まっている状態)の時の治療もこの手術に準じて行います。(尚中絶の同意書は不要ですが、手術承諾書は必要です。)

(※1)中絶の適応は、
1.妊娠継続が母体の健康に著しい悪影響を及ぼす場合、2.暴行を受けて抵抗できない内に妊娠してしまった場合 などです。